矯正展で刑務所作業製品を購入してみた

皆さん、お久しぶりです。おたんこです。
色々と忙しく中々ブログを更新する時間が作れなかったのですが、これからは少しづつではありますがブログ更新を再開していきます。
今回は、受刑者が刑務所で作成した製品を購入する機会に恵まれましたので、矯正展での刑務所作業製品について書き綴りたいと思います。

どうやって矯正展での刑務所作業製品販売会を知ったの?

基本的には刑務所作業製品を購入できるのは矯正展が開かれている場所や、刑務所作業製品展示即売会が開かれている場所等だと思われます。
いつ開かれているかは、「公益財団法人矯正協会 刑務作業協力事業部」が運営している、通称「CAPIC」のホームページ内にあるイベント情報タブに記載されております(なお、インターネットから直接購入できる直販サイトもあります。)。
私は上記CAPICのホームページのイベント情報から、2025年2月1日から新宿で矯正展が行われることを知り、さっそく訪れることにしました。
下記の写真の場所で矯正展が行われておりました。

どのような感じだったの?

実際に矯正展に行ってみると、かなりの人たちが刑務所作業製品目当てに来場しておりました。ちょっと込み合っていました。近くにある京王百貨店にも引けを取らない、もしくはそれ以上といった感じです。アジア系外国人もかなり多かったです。

雰囲気としては、様々なお店が参加しているイベントといった感じです。

実際にどのような製品が売られていたの?

それでは、実際にどのような製品が売られていたのか、紹介してみたいと思います。
ここからは、画像を多用していきます。

上記3枚の画像は、漆塗りが施された囲炉裏のテーブルです。漆の光沢で気品にあふれ、造りも非常にしっかりしています。値段が高めなのも理解できます。このような素晴らしいものはIK●Aやニ●リといった家具店では決して購入できない代物です。

4枚の画像を掲載しましたが、これら上記の画像にあるような非常に立派な箪笥も売られていました。現在、このような箪笥を作れる人はなかなかいないのはないでしょうか。価格も数十万円しますが、その価格以上の価値があると思います。

勿論、上記2枚の画像のように、現代的な家具もありました。こちらも造りが非常にしっかりしていて、非常に素晴らしい製品でした。

仏壇もありました。こちらも素晴らしい出来具合です。

上記2枚の画像のように、鞄や小物も売られておりました。全て革製品であると思われます。これらはどれも造りがしっかりしているので、日常使いに十分です。どれも素晴らしい製品でした。

上記2枚の画像にあるように、バーベキュー用品や将棋盤といったものも売られておりました。多種多様な品揃えです。もちろん造りはしっかりしています。

上記2枚の画像は、置物とオブジェです。造りがとても精巧でクリエイティブなものもあり、思わず部屋に飾りたくなるような作品です。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: DSC_0027-1024x768.jpg

上記2枚の画像はちょっと個性的です。ブランド化?しているのかな、と思わせるくらい個性的なデザインで、非常に興味深いものです。勿論、品質はしっかりしています。

上記2枚の画像は少年刑務所で造られたものです。少年刑務所も負けていません。ちゃんと立派なものを作成しております。

結局、おたんこは何を購入したの?

私はあれこれ悩んだ挙句、家具はちょっと価格が高くて手が出ず、また、小物なども特に必要としていないことから、これらは購入しませんでした。
しかしながら、きちんとしたビジネスシューズは壊れているものしか持っておらず(現在、通勤時に履いているものはアメリカのメレルというブランドのものです。)、フォーマルな場所で履ける革靴を必要としていることから、革靴を購入しました。
因みに、私が購入した革靴は福岡の刑務所で製作されたものです。

購入したビジネスシューズは訳あり商品で半額で売られており、なんと3,625円で購入できました(PayPayを除いてキャッシュレス決済で支払いができたので、ポイ活をしている私はJREポイントを集めるため、Suicaで支払いました。)。
訳ありとはいえ、合皮ではなく本革で造られていてしっかりしており、しかも非常に軽くて履き心地が良かったため、迷わずに購入しました。これからはフォーマルな場所では、今回購入した靴を履いていこうと思います。
今回の経験を通して、刑務所作業製品の品質がとても良いものだと分かったので、今後、何かを購入する際には刑務所作業製品が選択肢の一つとなることに間違いはないでしょう。

最後に

矯正展に行ってちょっと驚いたのが、「前科のある人に社会復帰の道を与えましょう」とか、あるいはその逆に「犯罪被害者の救済のために協力をお願いします」といった呼びかけは一切なかったということです。ただレシートに「売上の一部は、犯罪被害者支援活動に役立たれます。」という一文が記載されているのみでした。販売員の方々も、街中の普通のお店の販売員と同じような対応をされておりました(なお、今回の矯正展は、日本中の刑務所の受刑者が制作した製品が売られていましたが、府中刑務所が主体となって行っていたようです。)。


私はこの光景を見て、ちょっと色々と考えさせられました。一昔前は日本は犯罪加害者の支援に積極的な一方で、犯罪被害者の救済には消極的でした。しかしながら、今は十分とは言えませんが、犯罪被害者の救済に光が当たってきています。当然ながら悪いのは犯罪加害者の側であり、受刑者には一生をかけてきちんと罪を償ってほしいと思います。
ただ、受刑者にはこのような素晴らしい製品を作ることができるのであるから、出所後には再び道を踏み外すことなく、まっとうな人生を歩んでほしいとも思っています。
色々と考えさせられる一日でした。